2024年5月27日、歌舞伎町商店街振興組合の令和6年度第63回通常総会開催 [事務局]
5月27日(火)、新宿プリンスホテルにて歌舞伎町商店街振興組合の令和6年度第63回通常総会が開催されました。
組合員数209名に対し、本総会出席者数は47名、委任状数71名、合計118名。(よって、本総会は過半数を越え、議決の決定数を満たした)
歌舞伎町商店街振興組合は、その名の通り商店街振興組合法によって定められた商店街が形成されている地域、当該組織の場合は歌舞伎町一丁目地域を所管します。歌舞伎町に戦後間もなく設立された復興協力会からの流れが前身母体となって、振興組合法の施行年、昭和37年(1962年)に合わせて日本で最初に設立された商店街振興組合で、今年が63年目ということになります。現在は歌舞伎町一丁目地域内の地権者を中心に組織が形成されており、各テナント事業者は組合員としてではなく、町内各通り別の町会に所属することが前提となってきました。また歌舞伎町にはその他各同業組合等もありますが、町会やそれら同業組合などの横断組織としての意味合いもあります。歌舞伎町商店街振興組合は二棟の建物・土地(歌舞伎町商店街振興組合ビル、弁天堂ビル)を持つ地権者でもあります。歌舞伎町商店街振興組合設立当初に組合員からの出資によってこれら資産を形成、現在に至り、賃料等事業収益が組合活動の予算の大半を賄っています。
令和5年度の事業報告、並びに令和6年度事業計画案を上程する大塚隆副理事長(小松ビル株式会社代表取締役)
令和5年度事業報告書
自令和5年4月1日
至令和6年3月31日
今和5年4月ついに東急歌舞伎町タワーがオープンし、令和5年度は例年になく明るいニュースで始まりました。アフターコロナ元年とも言えるほど日常生活は通常のものに戻り、H常生活と密接な関係にある「歓楽街歌舞伎町」としても多くの来街者、とりわけ外国人観光客が激増しているように思えます。
コロナ前にも勝る勢いで活気が戻っている一方、シネシティ広場周辺に集まる「トー横キッズ」またその周辺者の問題、違法放置ゴミの問題、メディアで取り上げられたホストクラプの悪質売掛問題など、歌舞伎町のイメージを損ねる事案があることも事実です。
これらを払拭するため組合では、安全・安心・環境部会による防犯パトロールやまちのイメージ向上のための事業・街活性化部会によるイベントの開催、組合に係る人材育成のための組合行事や、組合事業の対外的な発信を行う総務・情報部会、組合資産の管理を担う財務部会の計4部会の活性化を図ってまいりました。
まだまだ課類は盛り沢山ではありますが、今後もまちの未来を見つめ、諸問題に取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
令和6年度事業計画案
自令和6年4月1日
至令和7年3月31日
このまちを「歌舞伎町」と名付けた先人達の悲願でありました歌舞伎のお練りならびに公演が実現します。歌舞伎町の新たなコンテンツとして定着していくことを期待いたします。
外国人観光客を中心とした来街者が増加しておりますが、これまで通り「誘客」を推進するだけではなく、来街者を「お客さま」とするために組合として何が出来るのか検証していく必要性を感じております。引き続き4部会を中心とした事業を進めて参ります。他方治安対策としては、情報の収集と関係機関への情報提供、協力体制の強化を図ります。
詳細につきましては以下のとおり計画いたします。
事業計画(数字は予算金額)
(1) 共同宣伝事業 23,600,000
①地域活性化に関する事業
・来街者及び外国人観光客に対するコンシェルジュ事業
・動画制作を通じた新たな媒体による広報活動
・TMO主催イベントの後援・協力
②ポータルサイトの更新管理
③老朽化した街路灯の建替• 更新
(2) 環境浄化・美化事業 16,100,000
①地域安全• 安心に関する事業
・地域安全安心ステーションの維持・管理
・防犯パトロールの継続的実施(悪質客引きの撲滅)
・違法看板の是正指導(合同監察への参加)
・消防地域協定に基づく防火防災意識の向上を求める活動
(合同防火訓練、地域防災活動)
・美化推進活動(定期的な清掃活動及び各種清掃団体への支援)
・その他参画各種協議会への協力活動
② 食品衛生管理活動
(3) 振興事業 2,500,000
①各商店会活動促進に対する支援協力活動
②部会並びに委員会活動の促進
③関係各団体への支援協力活動
(4)弁天堂維持事業 1,640,000
・弁天堂ならびに弁天堂ビルの美化及び維持管理
(5) 福利厚生事業 1,500,000
・勉強会、親睦会などの実施
(6)組合ビル管理 37,710,000
事業費計 83,050,000
その他
一般管理費(人件費、業務費、課税負担金)23,960,000
街路灯整備事業 17,495,000
予備費 33,800,000
支出合計 158,305,000
なお、昨年改選された理事ならび代表理事(理事長)は各2年の任期のため、今年度は改選されません。理事長は、2期目の杉山元茂氏(株式会社すずや代表取締役)が今年度、期後半となります。
総会の議決を終え、杉山元茂氏(理事長)の挨拶は以下。
「令和6年度の事業計画に書かれておりましたが、街には確かに外国人旅行客の方が増えてはいるけれども、果たして皆様のご商売で外国人観光客を自分のところのお客様にしているのかというような投げかけがある。
「令和6年度の事業計画に書かれておりましたが、街には確かに外国人旅行客の方が増えてはいるけれども、果たして皆様のご商売で外国人観光客を自分のところのお客様にしているのかというような投げかけがある。
これからこの1年、振興組合としてもそこら辺の部分を本当にモノにしていくことができればというお話をさせていただきたいと思います。これだけの外国人旅行客の方やファミリーや友達同士で大きなキャリーケースを持って街を闊歩していただいているんですけれども、写真を撮ったり、中には路上でビールを楽しんだりとかする方も見受けますけれども、町の中の御商売として、インバウンドの需要をがっちり取り込んでいるということはまだまだ少ないんじゃないかと思います。
新宿区はじめ東京都、国までインバウンド対応のための補助金のような制度が多々ありまして、メニューの多言語化とか、それから看板やサイン、そういうものを含めて、かなりサポートがあるんですけれども、やはり話を聞いても、あまり生かしてないのかなというようなことがすごく感じられます。
私もしゃぶしゃぶやさんに家族で行ったとき、家族で食べ放題を楽しみに、5,500円だったと思うんですが、家族4人で会計2万いくらかで、隣のテーブルに台湾の2世代家族のお客様がいて、片言の会話しながら、6人のお客様がいて、その方の会計を聞いた時に私、びっくりしたんです。6人で22万。私たち4人家族の10倍を払っていた。昔ながらの5,500円の食べ放題というメニューもなさっている中で、1万2000円の毛ガニとか、それから松坂牛のプレート8,000円とか、それをもう山済みのようにご家族でお皿を積んで食べているわけですよね。もう本当に私は目から鱗でした。ずっと、おいしくて安いものが飲食業の使命だと私は思って商売をしてまいりましたけれども、それだけではないんだという、外国人からすればそれで喜んでいらっしゃるし、それを目当てで来ていらっしゃるという姿を目の当たりにしまして、これは本当に真剣に、やはりそういう大事な方がみえたら、どれだけおもてなしの精神で、ちゃんとしたいいお客様として消費していただけるのかということを勉強して、また、もっと外国人の方々に喜んでもらえる町にしなきゃいけないんじゃないかなと。
観光客が歩いているけれども、人が増えたねみたいな話で終わらせず、やっぱりいい町だったって思ってもらえるような町にして、そういう口コミやリピーターを増やして、これからの長い期間でのやっぱり町の発展につなげていかないといけないのではないかというふうに思います。
どちらかというと、去年まではコロナ禍のことでダメージも大きかったこともありまして、守りというか、後手後手の対応というか、本当に申し訳なく思ってきたんですけれども、本当に今やれることを打って出て、きちんと、街として外国人観光客の方に満足いただけるようなまちづくりというのを考えていきたいというふうに思います。
とにかく街にはポテンシャルがある。やっぱりそこで楽しんで消費していただいて、またそれが歌舞伎町としての町の特色になるというような循環をつくっていくということのために、いったい振興組合は何ができるのかというようなことも考えていきたいと思います。
東京都も知事が小池さんであるにもかかわらず、都庁のプロジェクションマッピングなどナイトエコノミーの実装というようなことをお話しになってる。そこをしっかりやっていきたいと思います。その同時に、こういうナイトエコノミーの推進とかということを町として取り上げていくようになると、行政側の方にとってはですね、またこれ以上仕事を増やすなよ、という、まあ、そんな声は聞いたことありませんけれども、恐らくそういう思いもあると思うんですね。そういう時には、やはり需要を取り込むというようなことだけじゃなくて、やっぱり街をしっかり守るという自治的な組織というか、世界の先進を見てきますと、だいたいトップに出てくるロンドン、ベルリン、アムステルダム、ニューヨークとか、ナイトエコノミーを活気を持たせ、経済の発展と改善に充てているところとは、みんなやっぱり自主的な組織、例えばバーだったらバーの組合がしっかりしているとか、酒販免許というものを盾にしてそれを守るために小さいクラブであってもセキュリティーを必ず置くとか、そういうことを自主ルールを定めて、町を守りながら、ナイトエコノミーを発展させていくというようなことが世界の事例でありますので、そういうことも参考にしながら、これからしばらく続くであろう『少子高齢化』などの日本にとって、経済的には本当に明るい星である外国人観光客の方への対応も、組合活動のメインに掲げていきたいと思います。」(杉山元茂理事長)